ウィザーズプラスコラム

第80回キャプティブ価格戦略

あのVAIOがスマホ参入を発表して注目されています。2014年7月にソニーのPC事業部が独立して誕生したVAIOが、2015年1月からスマートフォン市場に参入することを発表しました。すでにソニーは「Xperia」というブランドでスマートフォンを展開しているので、今後はVAIOとソニーで対決を繰り広げることに。こうした競争によって新たにどのような商品やサービスが誕生するのか、消費者にとっては楽しみな展開となっています。

これからの市場の動きについて予想したある記事には「圧倒的な低価格戦略が鍵を握る」とありましたが、果たしてどのような闘いが繰り広げられるのか。今後もスマートフォン市場から目を離せそうもありませんね。

新たな価格戦略で勝ち抜くには

2014年末、経団連審議員会で講演した日銀の黒田総裁は「現在の日本経済はデフレマインドからの転換が着実に進んでいる」とし、こうした変化が「企業の賃金設定や価格戦略にも影響を与えている」と語っています。春闘でのベースアップや低価格戦略からの転換など、変化のきざしを実感している方も多いのではないでしょうか。

今後は低価格ばかりの価格戦略では勝ち残ってはいけません。ですから低価格以外の価格戦略の方法論を知っておく必要があります。マーケティング・ミックスにおける価格戦略には、キャプティブ価格戦略やスキミング・プライス戦略、プライス・ライニング戦略、抱き合わせ価格戦略などがあります。なかでも今回はキャプティブ価格戦略についてお話してみたいと思います。

キャプティブ(Captive)とは、捕虜の意。キャプティブ価格戦略とは、主製品の価格を低く設定して顧客を取り込み、付随製品のランニングでその囲い込みを狙う価格戦略となっています。

たとえば主たる製品であるプリンターに付随するインクカートリッジのような製品、ゲーム機のソフト、カメラのフィルム、剃刀の替え刃などといったものがキャプティブ製品として販売されています。こうしたキャプティブ製品からの収益を見込むことで、主製品を安く提供することができるのです。

この価格戦略において重要なのは、長期的に安定して収益を得るため、競合製品へのスイッチを予防すること。高い純正品ではなく、比較的安い他社製品を購入されてしまってはキャプティブ製品からの利益を得ることができなくなってしまいます。そのため製品のブランドとしての価値や顧客の満足感を高める努力を続ける必要があるのです。

より洗練された方法でブランドイメージをブラッシュアップしていくこと。顧客のニーズを満たす商品やサービスを提供すること。それが今後の価格戦略には必要なのではないでしょうか。

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