ウィザーズプラスコラム

第69回事業再生計画書の作成

安倍政権が政策として掲げる「地方創世」。その実現に向けて業務強化され、地域への資金供給がおもな業務となった地域経済活性化支援機構(REVIC)への期待が高まっているようです。その前身である企業再生支援機構では中小企業の事業再生を支援し、無限責任組合員(GP)としての執行を行ってきました。しかし2014年5月に機構法が改正されたことで、有限責任組合員(LP)として事業再生や地域活性化ファンドに出資だけをすることができるように。このLP出資によって、事業再生や地域活性化ファンドの組成を促す効果が期待されています。

知っておきたい!事業再生計画書について

資金繰りが厳しくなったときに経営者がまず考えるのは、銀行からの融資や株式を発行して出資を受けること、知人や取引先から借り入れをすることだと思います。しかし新たな資金が思うように調達できなかった場合、最後の手段として残されているのはリスケジュール。とはいえただ資金繰り破綻を回避するだけでは先の解決は見込めません。

そこで考えておきたいのが事業再生について。事業再生とは企業が倒産状態に陥ってもすぐに清算してしまうのではなく、債務の一部免除や弁済期の繰り延べなどを行いつつ、収益力のある事業を再構築すること。事業再生を行うことで、取引先への迷惑を可能な限り減らすことができ、また従業員を解雇することもなく事業を継続していくことができるのです。事業再生の条件としては、過去の負債が圧縮されれば資金繰りが回るようになることや、再生する事業があることなどが挙げられます。

金融機関などの支援を求め、事業を再生するためには事業再生計画書の作成が不可欠です。事業計画書を作成するうえで重要なのは、過去3ヵ年の実績を記載し、その延長線上に向こう5ヵ年間の事業計画を位置づけること。売上について成長はあまり見込まず、減少を食い止める程度にします。その代りコストの削減による収益良化を目指すのが一般的となっています。

さきに挙げた地域経済活性化支援機構などに事業再生支援を求める場合、資産等の査定(デューディリジェンス)が必要となります。この査定は財務や法務、ビジネス、不動産などの視点から事業者の置かれている状況を詳細に把握し、事業再生スキームのなかで金融機関に債務放棄などを求める前提となるものです。査定のための費用は、再生支援決定に至った場合は機構が10分の9を負担し(中小企業の場合)、決定に至らなかった場合は機構が全額負担します。

再生への取り組みがさまざまな形で支援されるなか、もっとも重要なのはこうした支援を受けるための計画書を作成することが目的なのではないということ。計画書はあくまで事業再生の設計図。リスケや債務免除、コスト削減などもあくまで手段のひとつです。

目的はただひとつ、事業をよりよい形で再生すること。再生のために作成したプランをどうやって実現するのか、その実現のために誰が動くのかということが重要なのです。

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