ウィザーズプラスコラム

第59回VA(バリューアナリシス)とは

経済誌に掲載されたスズキの決算説明会についての記事に気になる発言がありました。それは、「競合モデルを調べて対策を打つVA/VE(価値評価/価値工学)のような考え方はもう限界にきている。プラットホームの共有化など、いろいろな点が他社に後れをとっている。コストダウンのやり方そのものを変えないといけない。その方法は今、模索中だ」との鈴木修会長兼社長の談話です。

VA/VEという価値分析の手法が取り入れられてから30年あまり。日本の多くの企業がこの手法を実践するにあたり、コスト削減の方向にばかり傾いていたことを反省する向きがあります。今後、世界市場で勝ち残るためには、より広い視野にたったうえでの機能向上を目指していかなければなりません。そのためにも、いま一度VA/VEの基本にたちかえることが重要なのではないでしょうか。

価値向上の基本はVA(価値分析)にあり

前回は「VE(バリューエンジニアリング)」について述べましたが、今回はVEと同様、自社の製品やサービスの価値を分析し、その向上をはかる手法「VA(バリューアナリシス)」について考えてみたいと思います。多くの場合、VA/VEという表記がなされるように、これらはどちらも製品の価値を機能やコストの面から分析し、その向上を目指すものです。

VAとは価値分析のこと。製品やサービスの価値を上げるには、機能を向上させるか、コストを下げる必要があります。そのためVAでは、設計や材料の仕様、製造方法、供給先などといったバリューチェーンをベースに、事業活動全般を分析して、必要な機能を最小限のコストで実現することを目指します。VAで求める本質的機能には、使用上の機能だけでなく顧客の要求する外観や魅力などといった要素も含まれています。

VAの進め方は以下のようになります。

  1. 対象物の選定
  2. 機能の研究と定義、評価
  3. コストの調査
  4. 代替案の作成
  5. コストの比較
  6. 提案とフォローアップ

VA/VEには以下の3つ実施段階があります。

  1. 製品の企画段階で行うゼロルックVE
  2. 製品の開発・設計段階で行うファーストルックVE
  3. すでに生産されている製品のコスト削減を目的とするセカンドルックVE

これら3つの段階のなかで、すでに生産設備や製品が完成しているなかで実施されるセカンドルックVEをとくにVAと呼ぶこともあります。

VE/VAを推進するために注意しなければならないのは、トップがリーダーとなること。また、通常業務として活動に取り組むこと、そして継続的に活動を推進することです。新たな価値創造のためには、質的に、また方向性においてもバランスのとれたVA/VEを実施することが重要なのです。

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