ウィザーズプラスコラム

第58回VE(バリューエンジニアリング)とは

初夏の訪れを告げる爽やかな5月となりましたが、いま日本の株式市場では長引く停滞が懸念されています。ウクライナ情勢不安から不振となっていた米国の株式市場が4月半ばに切り返し、年初に通過不安に見舞われた新興国でも3月半ばから大きく上昇しているのに比べ、日本市場は4月の半ばになっても下落分の半分も戻せていないのが現状です。

ゴールデンウィークも明け、いよいよこれからが勝負のとき。今朝、ネットでビジネスニュースをチェックしていると、ゴールデンウィーク明けに狙いたい優良銘柄についての記事が掲載されていました。低迷がつづく日本の株式市場にあって、その成長が注目されているのは東洋インキSCHD。コストダウンと高機能製品の拡販というVEのお手本のような戦略が功を奏して、14年3月期の業績は過去最高となっているそうです。

製品のコスト削減と機能向上を目指す

東洋インキSCHDの業績好調にならい、自社でも効果的なVE策を講じたいとお考えの経営者は多いはず。そこで今回は、「効果的なVE(バリューエンジニアリング)戦略を策定し、それを実践するにはどうすれば良いのか」ということについて考えてみたいと思います。

VE(バリューエンジニアリング)とは、米国GE社のL.D.マイルズによって1947年に開発された手法です。商品やサービスの価値をコストと機能の関係(価値=機能÷コスト)でとらえて分析し、価値を向上させることを目的としています。

調達・製造・使用・廃棄といったライフサイクルコストを最小にして、必要な機能を達成することがVE最大の目的。そのためまずはその製品が、「誰のためのものなのか」、「何のためのものなのか」といった原則に立ち返ることが重要となります。

ですからVE活動では、使用者優先と機能本位が原則。ユーザーの立場から機能を分析し、その向上のための手段やコストの削減についてもユーザーの立場にたってアイデアをだしあうこと。また、創造的なアイデアを持ち寄り、チーム・デザインを行うことが重要とされています。

VEが効果を発揮するのは、購入資材費の削減や製品全体のコスト削減、製品開発などの分野。最近では、製品だけでなく、組立作業や機械加工、梱包、運搬などといった製造工程や物流などの分野でも活用されるなど、コストが発生するすべての分野がVEの対象となっています。

即効性のあるVE実践のために重要なのは、自社が提供している商品やサービスについて、それが「誰のためのものなのか」、「何のためのものなのか」という機能を再確認し、また、それを生み出すためのコストを明確化すること。そのようにして自社の製品の価値を知ることで、はじめて価値向上のための活動に取り組むことができるのです。

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