ウィザーズプラスコラム

第36回アンゾフの経営戦略

2014年4月の消費税増税をまえに、市場ではさまざまな動きがではじめています。なかでも注目されているのは、引き上げ分の価格転嫁を業界内で取り決める価格転嫁カルテルの動向。2013年10月上旬に日本産業・医療ガス協会が公正取引員会に転嫁カルテル内容を届け出たほか、飲料や食品など多数の業界団体がカルテル実施の検討をすすめています。こうした動きに対して政府は価格転嫁の専門調査官を設置し、スムーズな価格転嫁を支援する構えをみせています。

日本商工会議所の調査によると、1997年の消費税増税の際には小規模・零細事業者の半数以上が増税分を転嫁できなかったのだとか。大きく変化しつつある経済のうねりのなかで、取り残されることのないよう、舵をきっていきたいものです。

アンゾフの経営戦略に学ぶ

今回は、アメリカの経営学者であり、「戦略経営の父」とも呼ばれるH・イゴール・アンゾフの経営戦略についてご紹介したいと思います。アンゾフは1965年に出版された「戦略経営論」のなかで、市場における競合という概念をもちい、長期的な計画とその実施による企業経営の重要性を説いています。

企業の成長戦略の方向性を分析し、評価するためのツールとして現在もよく使われるのが「アンゾフの成長マトリクス」。これは製品(既存・新規)と市場(既存・新規)を軸とした表で示され、「市場浸透」、「市場開拓」、「製品開発」、「多角化」といった4つの方向性に成長戦略を分類する手法です。

市場浸透戦略は既存の市場における既存製品の売上を伸ばすためのものであり、市場開拓戦略は新たな市場を開拓し、既存製品の売上を伸ばすためのものです。製品開発戦略は既存の市場向けに新たな製品を開発すること。また、多角化戦略は新たな製品で新たな市場分野を切り拓くため、新事業を展開することとなります。このうち、市場浸透と市場開拓、製品開発は各部門に属する競争戦略であり、多角化は全社戦略としての成長戦略にあたるとされています。

厳しい経済情勢のなか、新たな分野への進出を検討している企業経営者は多いようです。アンゾフは多角化戦略をもっとも重視し、「水平型」、「垂直型」、「集中型」、「集成型」といった4つのタイプに分類しています。

水平型とは同じ分野での事業拡大を狙う場合のことで、垂直型は同じ事業分野で川上から川下へと多角化する場合をいいます。集中型とは既存製品とリンクした新製品で多角化をはかることをいい、集成型とは新たな製品を新たな市場に向けて打ち出していく場合をいいます。

企業の成長のため、また将来のリスクマネジメントのためにも、多角化戦略はもはや欠くことのできないものとなっています。他社との事業提携やアウトソーシングなどのオプションを含めて、さまざまな成長のための戦略をアンゾフの戦略経営から学びとりたいものです。

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