ウィザーズプラスコラム

第30回コストドライバーとは

コスト削減目標を掲げ、その達成に邁進する企業が増えています。そして、コスト削減に成功した企業は、着実に営業収益を伸ばしているようです。2014年3月期第1四半期決算会見を開催したKDDIでは、連結営業利益276億円を達成。これは、通信料増収の他、昨年発生した周波数再編コストの解消による140億円などといったプラス要因が貢献したものだそうです。

ABCとコストドライバー

このように、より効果的にコストダウンをはかるためには、まずは製品やサービスにかかる原価を明確に割り出す必要があります。そこで登場するのが、活動基準原価計算(Activity Based Costing)という管理会計手法。ABCとも呼ばれるこの原価計算手法は、製品やサービスを提供するためにかかる間接費を、その発生原因や活動単位によって計算し、製品ごとに配賦するものとなっています。間接費を明確に把握し、管理することで、その削減が実現可能となるのです。

ABCでは、サービスや製品といった活動ごとの間接費を正確に把握するため、コストドライバーという割当基準を設けます。コストドライバーには、各製品やサービスが消費した活動を割り当てる基準となるアクティブ・ドライバーと、各活動が消費した資源コストを活動ごとに割り当てる基準となるリソース・ドライバーがあります。

例えば、あるサービスのコストを計算するとき、従来の原価計算手法では、サービスを提供するための人件費などを定量的にコストドライバーとして用い、配分していました。

一方、ABCでは、より詳細なコスト計算を行うため、次のような計算を行います。まずは、業務を細かい活動単位(接客、電話対応など)に分割し、その活動に要した時間や人員数などをもとに、活動単位ごとの人件費を配分します。つぎに、活動単位ごとに基準となるコストドライバー(作業時間、処理件数など)を設定し、そのサービスごとの割合を計算します。そして、このコストドライバー割合に基づいて、それぞれの活動単位における人件費をサービスごとに配分するのです。

このように、ABCを用いてコスト計算をすることで、より正確に自社のコスト体質を見極めることができます。また、コストの要因となるコストドライバーを分析し、管理することで、コスト削減をすることができるのです。

サービスや製品ごとに間接費を定量的に配賦するこれまでの原価計算の手法では、今後の社会ニーズに即応するために必要なコスト管理ができません。ABCやコストドライバー分析などを用いて、より戦略的なコスト管理法へとシフトすることが求められているのです。

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