ウィザーズプラスコラム

第27回限界利益とは

近年、企業経営者の多くは、財務会計だけでなく管理会計を精査することに力を注いでいます。財務会計は企業外部への報告を旨とする財務諸表の作成を主としています。それに対して、管理会計では安全性や収益性、生産性、成長性といったさまざまな側面から会社の内部を分析し、次なる経営戦略を策定するための根拠となるデータの抽出、分析が主となります。管理会計の基本は原価計算ですが、損益分岐点分析や貢献利益法といった利益管理上の重要な手法や、バランスト・スコアカード(BSC)などの戦略的経営システムツールなどもあります。今回は、利益を管理し、分析するうえで活用される限界利益(貢献利益)の重要性について、ご説明したいと思います。

限界利益(貢献利益)を知る

限界利益とは管理会計上の概念のひとつであり、おもに企業の内部分析に使用されるものです。売上高から変動費を引いた金額が限界利益であり、売上高に占める限界利益の割合を限界利益率といいます。固定費の回収に貢献するという意味で、貢献利益とも呼ばれます。

たとえば、限界利益が固定費とイコールであるとき、その売上高は損益分岐点売上高であり、固定費を回収できている状態であるといえます。さらに、限界利益が固定費を上回れば、残りの金額はすべて利益となります。限界利益は固定費を考慮していないため、製品毎や部門毎、事業毎、地域毎など、それぞれの限界利益率を求めることで、その収益性を明確に知ることができます。限界利益を知ることで製品(部門、事業など)の収益性が判明すれば、その事業について増産や減産、改善、撤退など、その後の方向性を見極め、戦略を立てることができるのです。

このように限界利益を活用すれば、会社の利益を効率良くアップさせるため、限界利益率の高い製品や事業を中心に据えようという経営戦略をとることができます。また、限界利益率の高い商品を他の商品とセットで販売するなどといった戦略も可能です。

まずは、社内のさまざまな分野における限界利益を知りつくすことが大切です。どの商品の利益率が高いのか、どの事業部の利益率が低いのか、そうした数字から現状を読みとり、将来への道しるべとすることが重要なのです。

企業がその収益性を高めるためには、限界利益を上げるか、固定費を抑えるかしか道はありません。この両輪にバランスよく取り組むことが、さらなる成長のため不可欠なのではないでしょうか。

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