ウィザーズプラスコラム

第26回直接経費と間接経費

2013年7月、東京電力は停止中の柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制員会に申請すると発表しました。2013年3月期に3,776億円の経常赤字を計上した東電では、6、7号機が再稼働すれば年間2,400億~3,300億円の収支改善を見込めるとし、コスト削減などと合わせて黒字を目指すため、年度内の再稼働が不可欠としているそうです。東電のような大企業でも中小企業であっても、コスト削減が収支改善に不可欠なのは同じこと。今回はコストをさまざまな角度から分類する考え方について、お話したいと思います。

直接経費と間接経費のコスト削減

コストはさまざまな視点から分類され、管理されます。コストの分類法には、財務会計における費用の発生を基礎とする形態別分類や、経営上のどのような機能のために発生したかによって分類される機能別分類、また固定費や変動費のように操業度の増減によって発生するコストもあります。

さまざまな角度から分類され、管理されるコストのなかで今回注目したいのは、直接経費と間接経費といった、製品や事業との関連において分類されるコスト。こうした分類法によって、事業や製品・サービスごとの原価や損益を把握することができます。

直接経費とは、製品の製造または販売について、その発生を直接的に関連づけられるコスト。主要材料費などの直接材料費や、直接作業にあたる賃金などの直接労務費、外注加工費などの直接経費があります。

間接経費とは、その発生が事業や製造と直接には関連づけられないコスト。工場消耗費などの間接材料費や、管理部門などの間接労務費、各種保険料などの間接経費があります。

直接経費や間接経費は相対的な分類であり、製品ごとの原価を工場中心に計算する場合や、事業部ごとの損益を計算するために本社経費などを含める場合など、その視点によって計算の範囲や内容が違ってきます。

コスト管理上、直接費と間接費には大きな違いがあります。直接経費の発生は製品や事業と直接結びついているため、明確に把握できます。しかし、間接経費は直接に結びついているわけではないため、明確に把握することが難しくなります。間接経費は計算手続上、各給付に対して配賦計算する必要があり、そのため、その生産効率をはかり、管理することが困難になるのです。また間接経費の管理を難しくしているのは、非定形的な作業が多く、知的活動への依存度が高い、また業績評価が困難であるといった間接業務の内容にも原因があります。

コスト削減を考えるには、直接経費だけでなく、この間接経費の削減にも取り組まなければなりません。厳密に管理される製造現場で発生する直接経費に比べて管理が難しい間接経費を削減するためには、間接業務に携わるすべてのスタッフの時間やコストに対する意識を変えることがもっとも重要となります。また、経営者には、業務自動化プロセスの策定や業務の削減、組織の再編など、コスト削減のための明確な戦略を打ちだすことが求められるのです。

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