ウィザーズプラスコラム

第23回ランチェスター販売戦略

販売戦略とは、企業の最前線ともいえる営業現場に立ち、そこで生み出されてこそ力を持つもの。営業担当1人1人の力を最大限にまで高める「汗の匂いのする戦略」こそ、競争に打ち勝つチャンスを生み出し、シェアの獲得を実現するものです。市場戦略についての意志決定から、セールス担当者の営業活動についてまでを広範に述べる「ランチェスター販売戦略」は、強者だけでなく、それを追う弱者にもチャンスを与える実践的な経営理論。まさに「汗の匂いのする戦略」と呼ぶにふさわしい、現場による、現場のための販売戦略です。今回は、販売戦略の古典ともいわれる「ランチェスター販売戦略」についてご紹介します。販売戦略の在り方を見直す一助としていただければ幸いです。

汗の匂いのする現場から

販売戦略の古典ともいわれる「ランチェスター戦略」とは、イギリスの航空工学のエンジニアであったF・W・ランチェスターが発見した「ランチェスター法則」を基礎としています。この戦闘理論を、コロンビア大学の数学教授B・O・クープマンとアメリカ海軍作戦研究班が軍事目的の「ランチェスター戦略」として展開。アメリカでは、オペレーションズ・リサーチとして発展しています。軍事戦略としてのランチェスター理論を、1960年代に販売戦略として確立したのは田岡信夫氏。1970年代以降、多くの企業が「ランチェスター販売戦略」を実践してきました。

ランチェスター販売戦略では、市場シェアが1位の企業のみを強者とし、その他はすべて弱者とします。そして、組織の販売能力を「1人あたりの販売能力×人数」とした場合、第1の法則では、組織規模が同程度ならば1人あたりの能力が高い方が勝ちとし、第2の法則では、1人あたりの能力が同程度ならば、組織規模が大きい方が勝つとしています。これは、市場シェアを守ろうという強者には第2の法則を、局地的な勝利を目指す弱者には第1の法則を適用することで、それぞれに勝利をもたらす戦略の在り方を示唆するもの。弱者であっても、戦うべき市場を決定し、1人あたりの販売能力を高めることで、強者にも対抗しうる販売戦略をうちたてることができるのです。

ランチェスター販売戦略の実戦体系として、もっとも多く見られるのは「地域戦略」と「マーケットシェア戦略」、「営業戦略」の組み合わせ。「地域戦略」とは、自社の商圏や重点エリアでのナンバーワン獲得を目指すもので、戦国時代の国盗り合戦にも通じます。軍事戦略を基礎とするランチェスター戦略の基本ともいえるものとなっています。「マーケットシェア戦略」とは、マーケットシェアを調査し、分析することで、適切な標的顧客を設定するもの。また「営業戦略」は、定めた標的について、どのような販売作戦をとるかを設定するものとなっています。

日本の経済成長を陰で支えたランチェスター販売戦略。すでに50年もの歴史をもつこの販売戦略を原点として、新たな時代を迎える御社の販売戦略をいま一度見直してみてはいかがでしょうか。

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