ウィザーズプラスコラム

第17回中小企業の成長戦略

アベノミクス「3本の矢」について、さまざまな予測や論評が連日のようにマスコミでとりあげられています。ご存知のとおり、3本の矢とは、デフレ脱却を目指すための「大胆な金融政策」、復興・防災対策をはじめとする「機動的な財政政策」、そして「民間投資を喚起する成長戦略」といった3つの戦略のこと。とくに成長戦略については、「産業の新陳代謝の促進」、「人材強化・雇用制度改革」、「立地競争力の強化」、「クリーン・経済的なエネルギー需給実現」、「健康長寿社会の実現」、「農業輸出拡大・強化」、「科学技術イノベーション・ITの強化」といった7つのテーマで、その具体案のとりまとめが進められています。日本経済が長期化しすぎたデフレを脱却しようと動きはじめるなか、中小企業の経営者に求められるのは、あらたな時代のニーズを先取りできる、積極的な成長戦略なのではないでしょうか。

成長は中小企業の使命

なぜ企業は成長しつづけなければならないのか。それは、企業が成長して業績や社員の給与が上がることで、より豊かで活発な消費活動が生れることを、時代や社会が求めているからであり、今後は、リストラなどを軸としたコストダウン体制だけでなく、新たな成長や発展に向けたイノベーションへの取り組みが求められる時代となります。とはいえ、やみくもに売上増を叫ぶようでは、なんの効果も得られません。中小企業の成長戦略とは、限られた経営資源から、より魅力的な付加価値を生み出すことのできる事業を選定し、育てていくことに他なりません。資源分配を厚くすることで、競争優位を形成することができるのは、どの事業なのか。そうした事業の組み合わせを如何にして行うのかなど、企業としての方向性を明確に打ちだしていくことが必要なのです。

限られた経営資源から、環境適応し、他企業にない独自性をもつ事業を見極めるには、「VRIO分析」というフレームワークが使われることが多いようです。VRIO分析とは、Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)といった4つの区分で分析することで、経営資源の優位性を把握することができる分析法です。ほかに、製品と市場との関係性で分析する「製品・市場マトリックス」や、製品のライフサイクルを分析する「PLC(プロダクト・ライフ・サイクル)分析」などを用いて、成長戦略の策定に役立てる場合もあります。時代がまた1歩先へと歩み出そうとしている今こそ、自社の独自性を見極めて市場優位を勝ち取り、売上アップをはかるため、実戦的な成長戦略の策定が急務となっているのです。

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