ウィザーズプラスコラム

第144回M&Aを成功させるには

2015年における日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)は盛り上がりを見せ、過去最高を記録しました。また、日本の少子高齢化を背景に、これまで国内市場を主なターゲットにし、内需型と言われていた企業も海外へ目を向けています。

しかしながら、日本企業による海外企業のM&Aにおいては、積極的な姿勢にもかかわらず、失敗例がかなり多いことは残念でなりません。

M&Aが成功した時のシナジー効果による有益性は魅力にあふれています。企業が転換期を迎えた際の、更なる成長を実現する手段として、M&Aが成功した時の有益性は捨てがたいのも事実です。

M&Aの成功を導き出すのは、プロセスの成功も重要ですが、買収後の企業運営をスムーズに行い、企業価値を高めることが出来るかどうかで判断されます。M&Aの成功の秘訣はアフターM&Aを考慮に入れた体制づくりと言っても過言ではありません。M&Aを成功させる秘訣、リスクを回避できる施策について考えます。

1. 買収後の関連事業部がM&Aの起案~事業計画達成まで携わる

デューデリジェンスを経て、統合のための正式な買収契約締結後は更なる情報開示がなされ、統合経営に向け、より深く入り込んだ準備がなされます。この場合、買収契約が結ばれる前までは、経営企画部などがM&Aの起案、実行に尽力し、成立後は関連する事業部が携わるケースが多いのではないでしょうか。買収契約締結の前後で責任部門が変わることで、事業計画にひずみができ、失敗に終わるケースがかなり見受けられました。M&Aプロセスにおける計画と、現場での計画に違いがありますと、現場では混乱が起き、信頼関係にもひびが入ってしまいます。このような相違が起こらないように、買収後の関連事業部がM&Aの起案の時点から主導権を握り、達成確実な事業計画をもって、買収にあたることが重要なポイントとなるでしょう。

2. M&AおよびPMIの専門部門を持つことが理想

PMI(Post Merger Integration)とは「経営統合」を意味します。M&A後の企業価値向上をもたらさなければ、M&Aが成功したとは言えないことから、PMIはとても重要です。例えば、海外企業を買収した場合には、文化や風習、事業環境も異なります。それらを踏まえた上で、現地でマネジメントする人材の選出や統合ビジョンの統一・浸透なども進め、最大限のシナジー効果を上げていくことは、PMIの腕の見せ所です。

多くの買収企業はM&Aの専門チームを持ち、M&Aを推し進め、みごと買収契約を締結します。しかし、残念なことにM&Aの専門チームはM&Aの成立に力を注ぎ尽くし、成立後引き続き始まる経営統合においての実行においては、減速してしまう傾向が見受けられます。買収企業、売り手側企業とも対等の立場を主張し、衝突してしまう場面は多々あることでしょう。このような失敗を回避するために、主導権を握り、推進力となるPMIの専門チームの存在は必要です。M&Aの専門チームだけではなく、PMIの専門チームも持つことが理想と言えます。

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