ウィザーズプラスコラム

第133回海外事業拡大のポイント

すでに海外進出を果たしている日本企業に、今後、有望な事業展開先と見られているのが、インドやインドネシア、中国、タイ、ベトナムといったアジアの国々。これらの国々は現地マーケットの現状規模だけでなく、その成長性や優秀な人材の宝庫として注目されています。

しかし同時に、法制の運用が不透明であったり、インフラが未整備であったり、労働コストが上昇していたりといった課題があることも事実。また同じように海外展開を目論む他企業との競争も厳しくなっています。

このようななかで海外事業を拡大させるにはどうすれば良いのか。今回は海外事業拡大のポイントについてご紹介してみたいと思います。

海外事業を拡大するための5つのポイント

次なる進出先として注目されるアジア各国の人件費の高騰や円安など、海外事業を拡大したいと望んでいる企業にとって不安材料は事欠きません。そのようななかで事業展開を成功させるためには重要な5つのポイントがあります。

まず1つめのポイントは、経営者が率先して海外事業に取り組むということ。

優秀な人材に現地の舵取りを委ねるのは良いのですが、その基盤を作るのはあくまでも経営者自身の取り組みによるものでなければなりません。まずは海外事業の展望を明確な目標として打ち出し、全社員に周知すること。そして経営資源の分配や組織の改編など、目に見える形で経営者の本気度を示しましょう。

2つめのポイントは、市場参入戦略の決定と見直しのための体制づくりです。

海外事業を拡大する際には、参入国の選定や市場の現状把握、販路選定などの戦略を明確に打ち出す必要があります。しかしどれほど入念なプランを立てても、新たな事業展開というのは予定どおりにはいかないもの。とくに海外事業の場合は想定外のことが起きる可能性が高いものです。

そのため入念な調査による戦略立案はもちろんのこと、進出後の戦略調整を速やかに行うことができる体制づくりが重要となります。たとえば販路を選定する場合、具体的な販路の選定作業が重要なのはもちろんですが、その前に選定基準を明確にしておくことがより重要となります。またどこまでが現地の裁量に任されているのか、といった権限についても明確化しておく必要があります。

3つめのポイントは、人材の配置です。海外事業の拡大にあたり、新たな営業所のような感覚で人材を配置することがあるようですがそれは大きな誤り。海外での事業拡大とは単に新たな市場を開拓するというだけではなく、新事業を開発するというくらいのこと。ですからビジネスモデルの開発やマーケティング、プランニングなどあらゆる業務に精通した優秀な人材を配置する必要があるのです。

4つめのポイントは、進出を目指すエリアに特化したエリア・マーケティングです。

エリア・マーケティングというのは、地域性に基づいた顧客ニーズに細やかに対応した販売戦略のこと。ターゲット市場を明確化し、最適販路を選定、そして適合商品を開発するといった具体的なマーケティング戦略のうえでなければ、新たな市場を開拓して厳しい競争に打ち勝つことはできません。

5つめのポイントは、海外市場に合わせた品質基準見直しの必要性です。

綿密なエリア・マーケティングによって現地市場に適合した商品を開発するとなると、つぎに直面するのはコスト面での課題。国内でどれだけ熱心にコストダウンに励んでも、海外市場では競争に勝つことができず、已む無く撤退となる企業は多いようです。

そのような失敗に陥らないようにするため、ときにはターゲット市場に合わせた品質基準の見直しが必要となる場合もあります。企業の誇りの結晶ともいうべき品質基準を見直すということは、経営者の覚悟が問われるということ。海外事業の拡大を目指すなら、そのような覚悟を持って望む必要があるのです。

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