ウィザーズプラスコラム

第13回組織構造の改革

2013年3月、ソニーは中鉢代表執行役副会長の退任を発表いたしました。2005年に社長に就任した中鉢氏は、会長兼CEOであるストリンガー氏と共に、人員削減などの構造改革を進めてきました。しかしテレビ事業などの業績悪化により、その責任をとる形での退任となったものと思われます。

組織構造の改革という難題を前に、志なかばで戦線を離脱せざるを得なかった企業のトップは数多く、その難しさは経営者なら誰もが知るところです。組織改革の難しさを表すものとして、確固とした経営戦略もなく細分化や統合を繰りかえしたり、組織機能を無視して分業化や多層化を繰りかえしたりといった失敗例も、数多く見受けられます。単なる組織いじりに堕することなく、明確な経営戦略に基づいた組織への改革を実施するためには、どのような問題をクリアしていけば良いのでしょうか。ここでは、さまざまな組織構造の改革手法について、ご紹介したいと思います。

組織づくりのために有効なフレームワークとしては、マッキンゼーやハーバード大学などが共同開発した「7S」というものがあります。これは「戦略(Strategy)」、「組織(Structure)」、「組織運営(Systems)」、「人材(Staff)」、「組織風土(Style)」、「スキル(Skills)」、「社員の価値観(Shared Value)」の7つの頭文字をとって名付けられたもの。
経営戦略や組織、その運営を指すHard面と、人材や風土、スキル、価値観といったSoft面から、組織の設計を考えるフレームワークとなっています。

ほかに組織設計のフレームワークとして有名なのは、IBMのコンサルタントとしてジョン・A・ザックマンが発表した「ザックマンフレームワーク」。これは、さまざまなニーズに合った組織構造へと改革するためのツールとなっています。ザックマンフレームワークのなかには、EA(エンタープライズ・アーキテクチャー)という概念が紹介されています。これは企業の現状と未来像を可視化することで、組織全体の最適化を進めていくという考え方です。

EAの基本とは、組織における「戦略性」や「機能性」、「効率性」の充実にあります。まず大切なのは、明確な経営戦略の立案と、それに合致した組織構造の「戦略性」の充実。単一事業として成長を目指すのか、多角化を視野に入れるのかなど、経営戦略によって組織の在り方は違ってきます。市場やモデルの未来像を描きつつ、その実現に向けた実効的な組織を作ることが求められます。

また組織構造の改革には「機能性」も重要です。それぞれの事業所(事業部・部署など)に、どのような責任と権限を持たせるのか、どのような機能をもった組織とするのかといった機能性を明らかにしたうえで、組織設計をすることが必要なのです。それから組織のもつキャパシティーを最大限に発揮するための「効率性」も重要。
無駄を省くだけでなく、良好な組織風土を醸成して、効率化をはかることが求められるのです。

自立的に活動し、環境の変化や刺激を受けて自らも変化しつづける、生きた組織を作り上げることは容易ではありません。着実に業績を上げ続け、千変万化する世情や環境の変化に対応していくためには、なによりも明確な経営戦略に基づいた構造改革が求められるのです。

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