ウィザーズプラスコラム

第125回生産性と付加価値

2015年7-9月期の実質経済成長率は前期比年率でマイナス0.8%となり、4-6月期のマイナス0.7%につづいて2四半期連続のマイナス成長となりました。その内訳をみると、消費と外需はともに前期比増となったものの、設備投資は前期比のマイナス。今後、円安や原油安、金融緩和などの要因によって景気は緩やかに回復していくと見られていますが、昨今の世界情勢をみるとけっして楽観できそうもありません。

このような日本経済の現状を打破するには、民間企業の従業員数の3分の2、付加価値の5割以上を占める中小企業の躍進が不可欠。いまこそ生産性の向上やイノベーションの加速を実現すべき時なのです。

掛け声だけになってはいませんか?

「生産性向上」や「イノベーション加速」、「IT活用」といった目標を掲げる企業は多いようです。しかし社長から役員へ、上司から部下へと言葉だけが申し送られ、具体的な策は何も講じられていない・・・、そのような企業が多いのも現実のようです。

そこで確認しておきたいのが「生産性とは何か」ということ。そのうえで改めて、「生産性を高める」ということがどういうことなのかを考えてみるべきだと思います。

生産性とは、生産過程における労働効率のこと。生産における投入量(インプット)と産出量(アウトプット)の関係で表わすもので、投入量に対して産出量がどれだけあったかを示すのが生産性となります。生産性を生産物の量で示したものを物的生産性、価格で示したものを価値生産性といいます。

代表的なものとしては、生みだされた産出量を投入した労働の量で割り、労働者1人1時間あたりの生産額で示す労働生産性があります。このほか資本1単位の投入量が生みだすアウトプットの水準を示す資本生産性。使用する労働と資本それぞれが異なる種類に分かれる場合には、多要素生産性(MFP)として生産性を捉える場合もあります。

生産性を考えるうえで重要なのが「付加価値」という概念。付加価値というのはそれぞれの企業が新たに生みだした価値を表わすものです。自社で生産された価値がすなわちその会社の付加価値となります。

つまり売上高というのは、自社の付加価値と材料費や外注費などの変動費とが積み上がったもの。材料費や外注費は他社にとっての付加価値となります。

従業員1人1人がどれくらいの付加価値を生み出しているかを計算するには、付加価値を従業員数で割り、付加価値労働生産性を算出します。

労働生産性を向上させるには従業員の技能や熟練度の向上だけでなく、IT活用などといった生産現場のイノベーション加速が必要となります。ほかに業務改善によるコスト削減など費用面でのイノベーションや組織改革も必要です。

なにより重要なのは経営者から従業員まで、一人ひとりの生産性に対する意識を改革すること。生産性向上のためのイノベーションは意識改革から始まるのです。

円安や原油安、金融緩和といった景気アップの条件が揃った2016年を意識改革元年と位置づけ、更なる躍進を目指してまいりましょう。

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