ウィザーズプラスコラム

第122回予算管理とは

いよいよ2015年も12月となりました。毎年この時期になると、経済誌やビジネス誌ではさまざまな角度からこの1年を振り返る特集企画が増えてきます。

アメリカのビジネス誌フォーブスでは「2015年”もっとも稼げなかった”映画」のリストを公表しています。そのリストによれば2015年でもっとも稼げなかった映画とは、大物喜劇俳優ビル・マーレイを起用した音楽コメディ映画『ロック・ザ・カスバ』。製作費に1500万ドル(約18億円)を投じたものの、興行収入はたったの290万ドル(約3.6億円)で、その回収率はたったの19%。なんとも恐ろしい数字になってしまったそうです。この分では日本で日の目を見ることはなさそうですね。ビル・マーレイといえば名優なのに、もったいない限りです。

とはいえアメリカの映画業界は好調な様子で、史上初めてチケットの売り上げが110億ドルを突破したそうです。一方、日本の映画業界でも漫画やドラマとのメディアミックスが功を奏し、2014年の興行収入は邦画だけで1200億円を超えています。

夢を売る映画業界にあっても予算管理は重要なもの。大スターを配することで出演料がかさんでしまっては回収が難しくなってしまいます。映画を制作するのも会社経営と同じように、実現可能な戦略とクールな予算管理が必要なようですね。

予算の種類とは

経営者には会社の業績を判断して意思決定する、経営管理の責務があります。経営管理のなかでも重要なのが予算管理。予算管理とは会社の将来の方向性を定めるための「未来予想図」を作成することに他なりません。

経営者にとって予算を立てるということは、将来の会社の方向性をシミュレーションし、起こりうるリスクを想定するためにも重要なもの。けっして他人任せにはできないものです。

予算にはいくつかの種類があります。ここでは予算の種類とその内容についてご紹介してみましょう。

  1. 売上予算
    売上予算とは売上高の予算のこと。過去の実績や今後の予測値、目標値から設定されるものです。
    販売数量を想定し、販売単価の目標値でかけて決定します。
  2. 原価予算
    原価予算とは製品の製造や商品の仕入にかかる売上原価の予算です。
    原材料費や人件費から標準原価を算出し、売上予算の根拠となる販売数量をかけて決定します。
  3. 経費予算
    売上には連動しない販売管理など固定費の予算です。
  4. 利益予算
    売上予算から原価予算と経費予算を差し引けば利益予算が算出されます。

これらの予算を決定する際に注意したいのは目標値の設定方法です。あまりにも高い目標をトップダウンで設定しても従業員がついてこられない場合があります。かといって下からの積み上げばかりでは成長は望めません。

予算や目標値を設定する際にはトップダウンとボトムアップ、大きめの目標値と最低ラインといった両極の数値を調整し、自社の現状に即した予算を設定することが必要となります。

もちろん予算管理とは予算を立て、未来図を提示するだけでは終わりません。さらに重要なのは予算を実際の売上やコストと比較・分析し、コントロールすることです。

万一、思っていたような結果が出なくても、また不測の事態が起きてしまったようなときにも、自ら予算組みをした経営者は強いもの。新たな未来図を携えて社員を牽引していくことができるはずです。

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