ウィザーズプラスコラム

第12回企業の栄枯盛衰

2013年3月「ヨーロッパ発の金融不安再燃!?」というニュースが、今度はキプロスから全世界に向けて発信されることとなりました。EUやロシアなども巻き込み、デフォルトを回避するためにギリギリの調整が続いています。日本経済がようやく前を向いて進みはじめた矢先に世界市場のネガティブな動きはけっして歓迎すべきものではありませんが、こうした激動の世にこそ、チャンスをものにする着実な一歩を踏み出したいものです。今回は日本を代表する家電業界の雄『シャープ』に関する一連のニュースを参考に、企業の生き残りをかけた戦略について探ってみたいと思います。

2013年3月、シャープはサムスン電子ジャパンとの資本提携を行う旨を正式に発表いたしました。約104億円の出資を受け入れ、出資後の議決権ベースで3.08%の新株式を発行することになり、資本提携によって両社の協業関係はさらに強化され、大型テレビ向け液晶パネルやノートパソコンなどモバイル機器向け中小型液晶パネルを長期的、安定的かつタイムリーに供給する態勢が整ったというわけです。

シャープといえば、我が国を代表する家電メーカーのリーディングカンパニー。液晶分野ではつねにトップを走り、世界の薄型テレビ市場を席巻していました。しかし急速に円高が進んだことで競争力が低下、韓国や台湾、中国などのメーカーからの追い上げを受け、今回のような厳しい経営判断を迫られることになり、こうした家電メーカー衰退の要因とされる諸問題は、けっして他人事ではありません。動き続けるニーズを如何にしてとらえるのか、グローバルなサプライチェーンマネジメントを如何に構築するのかなど、さまざまな経営戦略が問われているのです。

さかのぼること1年前、2012年3月期の決算で過去最悪の3900億円の最終赤字を計上したシャープ。2012年12月にはアメリカのクアルコム社から約100億円の出資をひきだしたものの、台湾の電子機器受託製造(IMS)最大手の鴻海グループとの出資交渉では進捗をみないまま、株価が急落。このほどようやくサムスン電子との資本提携を発表し、新たな活路を見いだす結果となりました。最上顧客であったアップル社のiPhoneやiPad用液晶パネルに代わり、サムスンのテレビやスマホ用パネルの安定受注へと舵を切ることにもつながる今回の資本提携。こうしたシャープの生き残りをかけた戦略が、果たして吉とでるのか凶とでるのか。パナソニックやソニーといった低迷のつづく我が国の家電メーカー各社の動きとともに、市場も注目しているようです。

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