ウィザーズプラスコラム

第119回間違ったコスト削減とは

アメリカからコスト削減に関する興味深いニュースが届いています。それは「アメリカの携帯電話サービス会社スプリントが収益を増やすために従業員へのスナックの無料提供に終止符を打った」というもの。これにより同社では60万ドルの予算が削減される見通しなのだとか。

アメリカの人材マネジメント協会の調査によれば、同国で従業員に無料のスナックと飲み物を提供している企業は全体の22%ほどだそうです。そもそもこうしたサービスは勤務時間中の従業員の外出を減らし、生産性を上げるための取り組み。日本でも福利厚生の一環として、従業員に無料でスナックなどを提供している企業は多いと思います。

従業員へのこうしたサービスの廃止はコスト削減のために有効なものではありますが、果たしてその影響は?一部には、「従業員へ心理的な悪影響を及ぼし、生産性の低下を招く恐れもある」という意見もでているようです。

安易なコスト削減策に走ってはいませんか?

売上を上げるためにコストダウンを目指すのは企業として当たり前のことですが、安易なコストダウン策に走って失敗を招いてしまうこともあるので注意が必要です。

とくによく耳にするのが、コストダウンのために仕入れ先を叩くという昔ながらのやり方。もちろん仕入先との交渉によって適正な価格を実現するということは間違いではありません。でも安易な入札や形式的な相見積りによって、取引関係の悪化やサービスの低下を招くような事態に陥ってしまっては売上の向上は見込めません。

取引先を叩くという方法は百害あって一利なし。一方的に仕入値を抑えれば、仕入先の売上が減少します。これで自社のコストは削減できますが、サービスの向上や安定供給を求めることは難しくなりますよね。

さらに仕入先の売上が減少することで、そこでの従業員への配分が減り、消費の減少をもたらします。社会全体としてみればマイナスとなってしまうのです。

さきに挙げたアメリカの場合も同じこと。コストを削減するためにスナックの無料提供を廃止すべきか、それとも社員のモチベーションアップや生産性向上のために続行すべきなのか。

いずれにしても安易なコスト削減は全体でみれば悪影響を及ぼしかねない危険なもの。コスト削減のためには「全体最適化」という考え方が必要不可欠なのです。

当社が提供しているコスト削減のコンサルティングは、企業それぞれに合わせて全体最適化を生み出す実現可能な手法ばかり。人件費以外のすべてのコストを対象として調査を実施し、改善の方途を分析します。

「学問に王道なし」というように、「コスト削減に王道なし」です。安易な策に走らず、じっくりと腰を据えてとりかかりたいものです。

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