ウィザーズプラスコラム

第116回財務改善(CF)

損益計算書や貸借対照表と並んで、会社の経営状態をあらわすのがキャッシュフロー計算書です。株式公開企業では2000年3月期決算からキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられています。

損益計算書というのはいわば企業の成績表のようなもので、貸借対照表は企業の財産の残高を示すもの。そしてキャッシュフロー計算書は「お金の流れ」をみるための財務諸表。P/LやB/Sから読みとれるデータを組み替え、お金の流れを分かりやすく示したものとなります。

現金を管理するものとしては、キャッシュフロー計算書のほか資金繰り表や資金収支表などがあります。ただし資金繰り表は残高を重視するものであり、キャッシュフロー計算書はあくまでも現金の流れをみるためのもの。また資金収支表はキャッシュフロー計算書と同じくお金の流れをみるためのものですが、項目の区分に違いがあります。

キャッシュフロー計算書は公認会計士がチェックを行うものであり、その信頼性や客観性が高く評価されるもの。そのためステークホルダーが企業の経営判断を行う際にも利用されています。

まずはキャッシュフローの改善を

財務改善に取り組むなら、キャッシュフローを改善することはもっとも重要なことかもしれません。というのもこの世の中、損益計算書上は利益がでているのに、会社に現金がなくて倒産してしまうケースというのが少なくないから。

営業上、収益や費用が計上されるタイミングと現金回収のタイミングがずれるのは当然のこと。このズレを把握して実際の現金の流れを知ってはじめて、経営の実態と自社の支払い能力を知ることができます。財務改善や経営の安定化をはかりたいなら、株式公開企業でなくともキャッシュフロー計算書を作成すべきなのです。

キャッシュフロー計算書には、営業キャッシュフローと投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローという3つの区分があります。営業キャッシュフローというのは、会社の本業である営業活動によるお金の増減を示したもので、これがプラスであることが経営健全化のための大前提となります。

投資キャシュフローというのは、設備投資や余剰資金の運用などによるお金の増減を示すものです。投資活動は事業活動維持のため、また将来の利益獲得のために必要なもの。投資キャッシュフローは基本的にマイナスになるのが正常とされています。

財務キャッシュフローとは、借入などの資金調達やその返済といった財務活動によるお金の増減を示したもの。営業キャッシュフローと投資キャシュフローで生じたお金の過不足を調整するものであり、こちらは基本的にマイナスとなるのが望ましいものです。

キャッシュフローをこの3つの区分に分けることで、財務改善のための方策が明らかとなります。たとえば営業キャッシュフローを改善するには利益を上げることや早期に減価償却してしまうこと、売上債権回収を強化するなどの改善ポイントがあげられます。投資キャッシュフローの効率化のためには、非効率な投資を排除するなど資産の見直しが必要となります。また資金調達の多様化を図るなどして、財務キャッシュフローの健全化をはかることも重要。このように会社の持つお金の流れを見ることができれば、経営健全化のための方策も自ずと明らかとなるのです。

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