ウィザーズプラスコラム

第107回IT部門が行うべき社内業務改善

前回のコラムの冒頭でご紹介したリコーのIT部門改革に見られるように、これまではどちらかといえば縁の下の力持ち的な存在であったIT部門に、最近はより一層の期待が寄せられています。新規事業展開や競争優位獲得などといった企業経営の牽引役を担う部門として、また抜本的な業務改善に取り組む際のリーダー役として、その存在は欠かせないものとなっています。

IT部門への期待の高まりには、昨今のビジネス環境の変化に原因があるようです。グローバルな競争の激化や加速化、少子高齢化による国内市場の飽和感など、先行き不透明な時代だからこそ、ITを活用した本業分野におけるこれまでにないイノベーションを求める声が高まっているのです。

業務プロセスにイノベーションを!

社団法人日本システムユーザー協会(JUAS)の『企業IT動向調査2014』によれば、「IT部門がIT投資で解決したい中期的な経営課題」でもっとも多かったのは、「業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)」となっています。ついで多かったのは、「迅速な業務把握、情報把握(リアルタイム経営)」です。

また「IT投資における中期的な重点投資分野」としてあげられているのは、「顧客情報・営業支援」、「生産・在庫管理」など。このような調査結果を見てみると、IT部門への期待度の高さがよく分かると思います。

経営革新から業務改革までさまざまな期待がかけられるなか、IT部門が中心となって業務プロセスの改善に取り組むには適切な段階を経ることが重要になります。

まず第一は、課題の調査と改善のターゲットの特定。業務を改善するための課題とターゲットを明確にし、改革のためのスケジュールを立てます。

このときポイントとなるのは、経営課題と現場の問題点という両側面から見て、事実関係を把握することです。また一度に複数の課題に取り組むのではなく、優先順位を決めることも重要です。

第二に、改善策の立案。改善のターゲットに対する具体的な改善策を立案します。

その際、ポイントとなるのは、立案はゼロベースで行うということ。イノベーションを起すには新たな発想を活かすことなのです。

第三は、改善業務の設計。立案された改善策に従い、具体的な業務として設計します。

そのポイントとしては、全社的な視点でバランスをとることです。コストばかりを重視しすぎて商品やサービスのクオリティ低下を招くことのないよう、全社的に配慮することが必要です。

第四は、改善された業務の導入準備。設計された業務の具体的な手順をまとめ、実施の準備をします。

とくに社員に配布するマニュアルを作成する際には随時改訂が入ることを前提とすること、また社員が使いやすいよう配慮することも重要です。

このような業務改善プロセスも、これまで社内のIT化業務に携わってきたIT部門スタッフであれば、その技を存分に活かして成功させることができるはず。大事なのは、IT部門のマネジメント力だけではありません。本当に重要なのは経営陣のバックアップ、それに業務改革を成し遂げてさらに飛躍したいという社員の総意なのです。

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