ウィザーズプラスコラム

第8回ITプロジェクト成功の秘訣

社団法人日本情報システム・ユーザー協会が発表している「企業IT動向調査2012」によると、サーバーの仮想化やIT基盤としてのクラウド利用などの新規テクノロジーが、多くの企業で本格的に導入されはじめているようです。IT投資マネジメントとしては、「リアルタイム経営」と「業務プロセスの効率化」を課題とする企業が多く、さらに競争力の強化に繋がるような攻めのIT投資を求める企業もあり、またIT部門のBCP(事業継続計画)策定も急務とされています。とくに東日本大震災によってみえてきた対策が必要なリスクとして、「多くのシステムが一ヶ所に集中している」という問題がもっとも重視されているようです。

さまざまな課題を克服し、ITをより戦略的に活用するために立案されるITプロジェクト。一方ではその効果について疑問視する声もあります。同調査によると、「市場シェア拡大」、「製品・サービス開発力」については、IT投資の効果なしとしている企業が7割強にもなるというのです。ここでは、成功率の低さばかりが指摘されることの多いITプロジェクトを成功に導く秘訣について、ご紹介したいと思います。

一般にITプロジェクトマネジメントに活用されることが多いのは、PMBOK(Project Management Body of knowledge)という手法です。PMBOKとは、アメリカのPMI(Project Management Institute)が策定したプロジェクトマネジメントの知識体系であり、プロジェクトを遂行する際に、スコープ(目的と範囲)、時間、コスト、品質、人的資源、コミュニケーション、リスク、調達、統合管理という9つの観点でマネジメントするための方法論が体系化されたものです。この手法を運用することで、営業担当者や技術担当、ベンダー、コンサルタントなど、事業主体とその他のステークホルダーすべての要求事項を満足させるという目的のため、プロジェクトを進行させることができます。

しかし、こうした方法論に従ってさえいれば、すべてのプロジェクトが成功するというわけではありません。

近年、ITプロジェクト成功の要因として注目されているのは人的要素です。ITへの投資や効果、リスクを継続的に最適化するためのITガバナンスや、プロジェクトマネジメントの能力を向上させるための専門組織であるPMO(Project Management Office)。こうした組織的な仕組みづくりによって、人的要素を最大に活かすことができます。部門を超えたイニシアティブの発揮、IT部門と業務部門が連携するための積極的な情報共有やコミュニケーションであり、また将来にわたる企業活動にどのような利益をもたらすかという、より継続的な視点からの経過チェックする必要があります。

ITプロジェクトの成果は、こうした仕組みづくりによる人的要素の最大化によって生み出されるものなのです。

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