ウィザーズプラスコラム

第7回財務体質改善手法

中小企業庁が発表している中小企業実態基本調査によると、平成22年度の中小企業全産業加重平均値における自己資本比率は32.01%。ここ数年ではもっとも高い水準となり、中小企業各社の安全化戦略が成果をあげた結果となっていることが伺えます。しかし企業の目標としてより重要なのは、財務体質を改善して収益性を上げること。財務体質を改善することによって基礎体力が向上すれば、競争力がつき、より高い収益を確保することができます。景気の変動にも左右されない損益構造を構築するためには、財務分析、とくに収益性の分析を徹底的に行うことが必要なのです。

収益性の分析には、損益計算書(P/L)のチェックが欠かせません。損益計算書には、売上高、売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益など、財務体質改善のために重要なポイントが並んでいます。その各項目を分析すれば、自社の収益構造が明らかとなります。売上に関しては、減少の原因は何なのか、顧客の状況はどうなっているのか、売掛金の回収速度を速められないかなど、現状を分析することが必要。同じように、売上原価に関しては仕入先や在庫の状況などを分析し、経費に関しては労働分配率や固定費などをそれぞれチェックします。 こうして明らかとなった内容について、売上目標達成のための戦略、売上原価削減目標、経費削減目標などをそれぞれ立案し、実行することが、財務体質改善のための第1歩となるのです。

自社の損益構造を徹底的に分析するには、損益分岐点分析またはCVP分析と呼ばれる手法があります。CVPとは、Cost(経費)、Volume(販売量)、Profit(利益)の3つ。経費を変動費と固定費に区分し、売上高から変動費を差し引いて限界利益を算出。限界利益から固定費を引いて残った分が利益となります。損益分岐点売上高は「固定費÷(1-変動比率)」という式で算出することができます。限界利益や損益分岐点売上高は、売上目標や販売戦略を練るうえで役立ちます。目標利益達成分析や安全余裕度分析、予算編成などにも活用でき、より現実に即したデータとして、企業の体質を明らかにするものなのです。

こうした収益性の分析やコスト削減には、社外のコンサルタントを活用することも有効。さまざまな手法のなかから個々の企業に合った方法を選んで活用することができるので、より緻密な分析結果、より効果的な改善策を打ち出すことができるからです。

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